僕は結構ゲームが好きだ。Doom系のPUBGもフォートナイトもかなりハマって時間を忘れていたりする。オンラインで誰かが操作する相手と対戦するということがこれまでのゲームとは隔世の感がある。コンピューターを相手にプレイするのが普通だった昔のゲームだとどうしてもゲームは1人でするものだった。家にこもって誰とも遊ばないからゲーマーというのはとても嫌なイメージがつきまとっていた。今はesportsとして世界で大会が開かれるようになった。オンラインで誰かと対戦するというのは結局誰かと一緒に遊んでいることであり、1人で遊ぶのとはかなり違う。そこには人間臭いやりとりや、駆け引きや、コンピューターにはない不完全さがあり、それがよりリアルで面白い。 warrockはカウンターストライクファンとしては当然プレイすべきものだったが、なぜか長い間あまりプレイする機会がなかった。他に同様の1人称視点の有名なバトルゲームがありすぎたからかもしれない。オンラインゲームに不可欠のチャットもあるし、バトルもあるし、操作性も悪くなかったので、僕から貴重な時間を奪うゲームが一つ増えてしまい、本業に差し支えたので今は控えめにするように心がけている。 オンラインゲームにはまっている世代としては、パチンコとかスロットとかいうものはいわゆる「おっさん」の娯楽でしかなかった。やたらにジャンジャンと賑やかな騒音が鳴り響いているし、装飾もキャラクターも別次元の明るさの世界なのに台の前に座っている人たちは一様に気を使っているとは思えない服装だし、顔も明るくて楽しい空間には似つかないような真剣さだ。職場で見るほうがまだ余裕があって話しかけられるくらい話しかける空気もない。 そんな印象しかなかった僕でもカジノはかなり通った。マカオやシンガポールは常連になった。たくさんの人とプレイできるというのがオンラインゲームと同じ要素だったからだ。 そんな僕に変化が訪れたのは、マカオで知り合った隆さんだった。隆さんは50代のリタイアしたリッチでありとあらゆる遊びを教えてくれた。そんな隆さんがオンラインカジノに熱中しているのが最初は理解できなかった。が、隆さんがカジノの中で休憩中にスマホで遊んでいるスロットを見ていてとても興味が出てきた。それはオンラインギャンブルの日本語サイトにある往年のゲームのスロットで、キャラクターも音楽もあの当時の状況を再現しているものだった。だからスロットをプレイしているのに、昔楽しんだ思い出が蘇ってきた。それが楽しくてカジノにきているのにも関わらず随分スマホでプレイしていた。 warrockがスマホでオンラインカジノのスロットになったら、同じような気持ちになるかもしれない。スロットを回しているのか、オンラインで手榴弾を投げながらチャットをしているのかわからなくなるようなものになるに違いない。協力プレイのシーンがスロットを回しながら出てきて、武器を選択する。チャットで隣の人が話しかけてくる。そんなスロットがオンラインギャンブルの日本語サイトにあったら間違いなく僕はやってしまうだろう。そしてまた貴重な時間を費やして頭を抱えるかもしれない。今はもう会うことができない隆さんとの思い出に浸りながら、そんな風に時間を過ごすのは味わい深いかもしれない。